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猫風邪ってどんな病気なの?
猫風邪(猫の上部気道感染症)は、鼻水やくしゃみ、咳や目やに、よだれが出るなど、人の風邪と同じような症状がでる病気です。
『ヘルペスウイルス(猫ウイルス性鼻気管炎)』
『カリシスウイルス』
『クラミジア』
などに感染することで起こります。
ウイルス性の場合、一度でも猫風邪に感染すれば、回復後もウイルスが神経細胞などに身を潜め、キャリア状態となることがあります。このため、猫の免疫力や体力が衰えれば、再び症状が現れる恐れがあります。
それぞれの症状の特徴をまとめてみました。
皆さんの愛猫が元気ない場合は、症状に該当しないか読んでみてくださいね。
記事監修
獣医師 西村 美知子 ブルーミントン動物病院院長
日本獣医畜産大学(現 日本獣医生命科学大学)卒業後、東京都武蔵野市吉祥寺で開業、2009年に現在の 東京の西荻窪に移転。 自然療法中心の病院です。検査から治療まで、精神的にも身体的にもストレスをできるだけかけずに動物さん個々が本来持つ「治癒力」が動き出すよう、様々な 自然療法をご提供しています。
猫風邪ってどんな病気なの?
原因:ヘルペスウイルスに感染することにより発症する病気です。
症状:風邪のような症状。一度感染すると症状は落ち着いてもウイルスは体の中に残ることになります。
母猫からの移行抗体がなくなる2~3カ月齢前後の仔猫に多く、鼻汁やくしゃみ、咳や発熱、食欲低下、角膜炎や結膜炎などが現れます。
成猫になってからは、ワクチンで防ぐこともできますが、一度感染していると体の免疫が下がった時に体の中のヘルペスウイルスが増殖し、再び症状が出ることがあります。
重症化すると食欲が低下するため急激な衰弱や脱水症状などで死に至ることもあります。
仔猫や高齢の猫など、免疫力が弱い猫の場合、肺炎を起こすなど重症化する場合もあります。
ほかに涙や目やにが増えたり、ひどくなると目が潰れたり、角膜と粘膜が癒着を起こすなどして将来的に視力に障害が出る可能性があります。
また、妊娠中の猫が感染すると流産する危険性もあります。
カリシウイルス(猫カリシウイルス感染症)
原因:カリシウイルスに感染することにより発症する病気です。
移行抗体がなくなる2~3カ月齢前後の仔猫の時にかかりやすいですが、ワクチンで防ぐことができます。
症状:鼻汁やくしゃみ、発熱、食欲不振のほか、口のなかや舌に潰瘍ができるため、痛みからよだれが多くなったり、口臭がきつくなったりします。さらには軽度の肺炎や多発性の関節炎を起こすこともあります。
また、当然衰弱、低血糖で亡くなる可能性があります。
しかし、それほど重度になるのは仔猫の時くらいで、成猫になってからは感染しなかったり、軽い風邪で治ってしまうことが多いでしょう。
クラミジア
原因:猫クラミジアに感染することにより引き起こされる病気です。
仔猫がかかりやすく、ワクチンで防ぐことができます。
症状:粘膜性の目やにを伴う結膜炎が特徴で、くしゃみや咳、鼻汁といった症状も現れます。
症状が軽い猫風邪では、特に治療をしなくても自然に回復することもありますが、クラミジアは鼻気管炎よりも治療が長引くことが多く、その判別は鼻水などの分泌物を見てみなくてはわかりません。症状だけで簡単に見分けることはできません。
猫風邪の多くは、これらのウイルスや細菌によることがほとんどですが、ほかの細菌の二次感染を起こすこともよくあります。
これらのウイルスや細菌に複合感染した場合は、より重い症状を引き起こすことがあります。
肺炎などを起こすと衰弱が早く、仔猫の場合は亡くなることが多くあります。
猫を多頭飼いしている場合、一匹の猫が感染すると、グルーミングや食器の共有などで、他のすべての猫に感染してしまう危険性もありますので、注意が必要です。
治療法
それぞれの原因に合わせた治療を行います。
ヘルペスウイルス(猫ウイルス性鼻気管炎)
猫ヘルペスウイルスの治療は、ウイルスを直接攻撃して退治する特効薬はありません。
そのため、それぞれ現れた症状に対する対症療法が治療の基本となります。
二次感染予防のために抗生物質や免疫力を高めるために、インターフェロンなどを投与してもらいます。
そのため、免疫をサポートするサプリメントも併用するのもいいでしょう。
現在、東京大学医学部で研究中の「自然由来の極小径炭素」は免疫細胞を元気にするという実証結果があります。
そのようなサプリメントを使って免疫力を強化するのが病気をよせ付けない対策のひとつでしょう。
同時に自宅では栄養のあるフードを用意し、室内の保温に気を配ることが必要です。
一度でも感染してしまうと、回復後もウイルスが体に残り、キャリアとなることがほとんどで、慢性の鼻炎になってしまう恐れもあります。
体力が衰えると再び症状が出てしまいます。
角膜炎などの急性の目症状に対しては抗ウイルス薬の投与も有効とされています。
カリシウイルス(猫カリシウイルス感染症)
免疫力を高めるために、インターフェロンの投与、注射や点眼、点鼻などを行います。
二次感染を予防するための抗生物質などを投与すれば、約2週間で回復するでしょう。
ただし、体力のない仔猫や高齢猫、持病をもっている猫がこじらせてしまうと、命に関わる危険性もあるので、早めに動物病院を受診することが必要です。
治療中は十分な栄養補給と温度管理に気を配りましょう。
口腔内に潰瘍があると自力では食べられないことも多いので、*シリンジを使って食べさせたり、食道チューブなどの設置をすることもあります。
強毒全身性カリシウイルス病では積極的な治療が必須と考えられます。
*シリンジ・・・注射筒。注射の際に薬剤を吸い上げるもの、それに針を付けて注射するもの。自力で食べられない状況の際にこれを用いて食べさせたりする。
また免疫力を低下させないためにサプリメントの併用もお勧めです。
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⇒東京大学医学部で研究中のエビデンスがある「自然由来の極小径炭素」
クラミジア
抗生物質が有効です。
症状が軽いうちに抗生物質の投与を行えば、それほど重症化せず回復することが可能です。途中で症状が消えても、持続感染やキャリアー(他の猫の感染源)になることを防ぐため、4週間は投与を続けるようにします。
もし、重症化した場合は、インターフェロンの投与や輸液、点滴での栄養補給なども行います。
予防法
それぞれの症状に合わせた、予防をお勧めします。
ヘルペスウイルス(猫ウイルス性鼻気管炎)
ウイルス性鼻気管炎の症状はワクチンを接種することである程度軽減することができます。
多頭飼いの場合は、猫同士で感染しないよう気をつけなければいけません。
感染猫が使った食器やトイレは塩素系漂白剤で消毒します。
また、猫を動物病院に連れて行った際に使ったキャリーにもウイルスが付着している可能性がありますので、使用後はきれいに洗いましょう。
猫ウイルス性鼻気管炎は、1〜2カ月齢前後の仔猫に多く見られます。
通常は2週間程度で回復しますが、寒い時期の猫は抵抗力が弱いため、一度かかかると進行が早く重症化する恐れがあります。
空気が乾燥しがちな冬に多く見られますので、室内の保湿・保温にも気を配りましょう。
カリシウイルス(猫カリシウイルス感染症)
最も効果的な予防法はワクチン接種です。
猫カリシウイルス感染症は「三種混合ワクチン」でカバーできます。
ワクチンで体内に抗体を作っておけば、たとえ発症しても重症には至らず済むことができます。
とにかく感染猫に近づけないことが大切です。
飼い主さんがノラ猫をはじめ外で猫に触った場合は、必ず手を洗い、ウイルスを家に持ち込まないよう気をつけましょう。
クラミジア
猫クラミジア感染症はワクチンを接種すれば予防することが可能です。
予防できる病気によってワクチンにはいくつか種類がありますが、5種混合ワクチン、7種混合ワクチンが猫クラミジア感染症をカバーしています。
外出する機会の多い猫や多頭飼いの場合は、必ずワクチン接種を行いましょう。
猫クラミジア感染症は人獣共通感染症のため、感染猫の目やにや鼻水がついた手で目をこするなどして人が結膜炎を発症することが稀にありますので、触ったあとは必ず手を洗うようにしましょう。
まとめ
猫風邪のウイルスに対する移行抗体がなくなる頃には、様々な病気にかかりやすくなります。
仔猫には適切な時期に十分な回数のワクチンを接種するように心がけましょう。
しかし、ワクチンを打ったからといって完璧にその病気を予防できるわけではありません。
あくまでも、予防に過ぎず完全なる防御ではないのです。
ワクチンを打つことに意味がないのではなく、感染しても症状がでない、もしくは、軽い症状で済ますためにワクチンを接種します。
仔猫のころはワクチネーションプログラムに従い、成猫になったら1~3年に一度必ずワクチンを打つようにしましょう。
また、日ごろから免疫力を高めておく必要もあります。
現在、動物病院でPOC療法として使われている東京大学医学部で研究中の免疫細胞を元気にするというエビデンスがある「自然由来の極小径炭素」は免疫力の強化をサポートします。
とくに仔猫やシニアの猫は免疫力が弱いので、病気になる前から予防としても与えてあげる事がお勧めです。
添加物が一切入っていないませんので猫ちゃんも安心して飲めます。
病気にならない強い抵抗力をつけて元気に過ごさせてあげることは、飼い主さんと猫ちゃん双方にとって幸せなことですね。
免疫をサポートするサプリメントを活用して、猫風邪からも他の病気からも猫ちゃんを守ってあげてくださいね。
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