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じわじわと悪化する犬の慢性腎不全
体の老廃物を排出する大事な臓器のひとつが腎臓です。
この腎臓にダメージが加わることで発症してしまう腎不全は、命の危険にかかわる深刻な病気です。
腎不全には『慢性腎不全』と『急性腎不全』があります。
急性腎不全は治る可能性がありますが、慢性腎不全になると、腎臓が元に戻ることはないので「病気の進行を遅らせる」「症状を緩和する」といった治療になります。
さまざまな腎臓の病気がありますが、遅かれ早かれいずれの病気も最終的に腎不全という「状態」に至ります。
腎不全に至る前に、病気のより早期の段階で見つけ、進行を遅らせることが重要になります。
今回は、『慢性腎不全』について徹底解説していきます。
慢性腎不全の特徴
☆症状が出にくいため早期発見が難しい
☆一度悪くなると元には戻らない
☆慢性腎不全が進行すると尿毒症を発症
☆シニア犬になるほど腎臓病のリスクが高まる
犬の腎不全とは、何らかの原因により腎臓の機能が障害をうけてしまい、体内の老廃物の排泄や水分・電解質バランスの調節などに異常が生じてくる状態の事です。
腎不全はその経過によって急性腎不全と慢性腎不全に分けられ、それぞれ異なった症状を示します。
慢性腎不全は、尿のろ過を行っている※ネフロンというものが緩やかに壊れていき、腎臓が慢性的に機能不全に陥った状態のことです。
病気の進行が5年以上経過してからはっきりした症状が現れる場合が多くみられます。
その他にも、歯石に繁殖する細菌が出す毒素が心臓に悪影響を及ぼすと同時に腎炎の原因となります。
慢性の場合、一度ダメージを受けて低下したネフロンは、二度と回復せず腎臓は固く萎縮してしまいます。
(※ネフロン:腎臓には「糸球体」と呼ばれるろ過器と「尿細管」と呼ばれる必要なものと不必要なものをふるい分ける細長い管があり、それらを一組にして「ネフロン」と呼んでいます。ネフロンは犬種にもよりますが両方の腎臓に約80万個存在します。腎臓の働きが低下するということは、このネフロンが減少していることを意味しています。)
ネフロンが減少すると残されたネフロンは過重労働を強いられます。「糸球体過剰ろ過」と呼ばれる状態です。
糸球体過剰ろ過により残されたネフロンが少なくなれば少なくなるほどその速度をあげて痛んでいきます。
こうして症状が悪化した状態を慢性腎不全といいます。)
腎臓はどんな働きをするの?
泌尿器の中心的な臓器はやはり腎臓になります。腎臓は次のような仕事をしています。
1.尿を作る、赤血球を作る指令を出す
腎臓は、体の中で余った老廃物を体の外に出すために尿を作ります。
尿の生成では、血液成分をまずは大きくろ過します。ろ過は成分の大きさで分けられますので大きな赤血球はろ過されません。
ここでは、ミネラルやブドウ糖、アミノ酸、尿素、水分などがろ過されます。
また、腎臓には尿を作るだけでなく、赤血球を作る命令である「エリスロポエチン」というホルモンを産生するという働きもあります。
腎臓の機能の低下とともにエリスロポエチンの産生量が低下してしまうと、腎性貧血を起こすこともあります。
2.体内環境を一定のバランスに保つ
ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン、重炭酸イオンなどを調整してイオンバランスを一定にして、血液を弱アルカリ性に保っています。
腎臓は、血液をろ過して尿を作りますが、尿中に必要な成分が漏れてしまわないように再吸収するという働きもあります。
特に体に必要な水分や電解質を再吸収する能力は大切で、腎臓の機能の低下によって脱水や電解質の異常が起こることもあります。
3.血圧を調整する
腎臓でろ過が正常に働くためには、血圧が一定に保たれている事が必要です。
血圧が低くなると、腎臓からレニンという酵素が産生されます。レニンは血液中の※アンギオテンシン-アルドステロン系というものに働きかけ、血圧を上げます。
(※アンジオテンシン–アルドステロン系(英語: Renin-Angiotensin-Aldosterone System, RAAS):血圧や細胞外容量の調節に関わるホルモン系の総称。 レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系ともいう。血圧低下や腎臓の循環血液量の低下に伴って、活性化される。血圧の上昇後にはレニンの分泌は抑制される。)
4.活性ビタミンDを作る
腎臓で蓄積されたビタミンDは、腎臓で活性化されます。活性化ビタミンDは小腸からのカルシウムの吸収を促進して、カルシウムの利用を高める働きがあります。
慢性腎不全の原因
犬の慢性腎不全の原因としては、主に以下のようなものが考えられます。
ほとんどの症例においてははっきりとした原因はわかっていません。
・基礎疾患
あらかじめ保有している何らかの病気によって腎不全が引き起こされることがあります。具体的には、水腎症、糖尿病、間質性腎炎、腎硬化症、多発性嚢胞腎などです。
他には、急性腎不全、糸球体腎炎、腎盂腎炎、高血圧症、腎腫瘍、先天性の腎臓病などがあげられます。
・老化
老齢犬では腎機能が徐々に落ちている中で内臓の予備能力も低くなっています。環境や食事、他の疾患により腎臓に負担がかかった場合に、無理が利く範囲が小さくなっており、腎障害の悪化が起こりやすいので注意が必要です。
また、腎盂腎炎などから、慢性腎不全を起こすこともあるため、若い犬にも起こりえる病気です。
・食事
過剰な塩分やたんぱく質を含む偏った食事も腎臓に負担がかかり腎不全にかかりやすくなります。
・その他、遺伝的な要因も
慢性腎不全を発症しやすい犬種が確認されていますので、何らかの形で遺伝が関わっているものと推測されます。
慢性腎不全の症状
犬の腎臓病は、症状が現れたときや検査で異常が確認されたときには、かなり進行してることも珍しくありません。
最も早期に現れる可能性がある症状は、よく水を飲み、沢山尿をするようになることです。
また、定期的に健康診断を行い、できるだけ早期に腎臓病を発見し、その進行を遅らせる事が重要です。
<慢性腎不全の主症状>
・水をよく飲む
・食欲が下がる
・尿量が増える
・嘔吐
・体重低下
・脱水
・便秘
・口臭
・歯茎が白くなってきた
また、この他には、重度の貧血がみられることがあり、これは腎臓で分泌され骨髄での赤血球の産生を促すエリスロポエチンというホルモンの低下により引き起こされていることがあります。
腎不全の末期症状では、※尿毒症や乏尿または無尿の状態(尿がほとんどあるいは全く作られない状態)になることがあります。
腎不全が進行し、腎臓から排泄されるべき老廃物である「尿毒症物質」が体に溜まると、体はだるく、気分は優れないため、食欲・元気がなくなり、よだれ、嘔吐が起こってきます。
少し動いただけですぐに息が上がって横になってしまう子もいます。
すべての子ではないですが、けいれんを起こす子もいます。
腎不全の最後は、眠るように亡くなる子もいますし、けいれんなどの激しい症状を起こしながら亡くなっていく子もいます。
(※尿毒症:尿毒症とは、本来腎臓から排泄される体の老廃物や毒性物質が、腎臓の機能が著しく低下することで排泄されず血中に残り、全身に毒性物質が回り障害を与える状態です。)
さらに、腎臓がほとんど機能しなくなることで、息がアンモニア臭い、口内の粘膜の壊死・潰瘍、けいれん、意識障害などが起こります。
これらの状態はかなり重度の腎不全の時に現れます。
そして、残念ながら尿毒症を発症してしまうと、治療に関しては非常に難しいものとなります。全回復は見込めず、犬の体力によっては延命治療や症状緩和のための治療がメインとなります。
回復させるというよりも、現状維持を目指し、出来る限り症状が悪くならないようにしていくのです。
こうした治療も犬の体力次第なところがあるため、できるかぎり早期に腎不全を発見し、尿毒症にまで症状が進行しないようにするほかありません。
慢性腎不全はどう発見されるか?
初期のころはほとんどは、症状を示さないことが多い慢性腎不全ですが、どのようにして発見されるのでしょうか。
検査で分かったり、また少しずつ下記のような兆候がでてくると慢性腎不全のサインですので、それを逃さないように気になったらすぐに獣医さんに診てもらうようにしましょう。
慢性腎不全の兆候
犬の慢性腎不全では、その兆候はあまり出ないことが多いです。
ただし、多飲多尿はもちろんのこと、高齢犬で元気や食欲が落ちてきたり、体重が減ってきている場合は慢性腎不全の兆候である可能性があります。
また嘔吐の回数が増えてきてきた場合にも慢性腎不全のサインかもしれません。
脱水のチェックであるテントテストも慢性腎不全を疑う手段になりますので、一度やってみるといいでしょう。
慢性腎不全の診断・検査
犬の慢性腎不全は、尿検査、血液検査、超音波検査で腎臓の数値をチェックすることで診断します。
尿検査
比重、グルコース、蛋白質などいろいろな項目から腎単位(ネフロン)のろ過・再吸収の機能チェックができます。
また、シニア犬の場合、「元気がない、食欲がないのは老化のせいだろう」と見逃しがちなので、定期的な血液検査もお勧めします。
血液検査
BUN値(血中尿素窒素)とクレアチニン値、P(リン値)の確認ができ、慢性腎不全の場合、早期に治療を始める事ができます。
これらの物質は本来腎臓から排泄される老廃物です。つまり、BUNやクレアチニンが上がっていれば、老廃物を排泄するために腎臓が満足に働けていないという証拠なのです。
これらの数値が上昇するのは、腎臓の大部分の機能が低下してしまってからだと言われています。
しかし、最近は従来よりも早く検知できる検査も増えてきているようですので、通っている病院にお問合わせください。
また、BUNやクレアチニンの数値が上昇する前に尿比重の低下・尿蛋白/クレアチニン比の上昇、シスタチンCの上昇などがみられるため、慢性腎不全を疑ったのにBUNやクレアチニンに異常がない場合は、これらの検査を行うこともあります。
超音波検査
腎臓の腫瘍や腎結石、水腎症や腎嚢胞など腎不全を起こす特別な原因が見つかることがあります。
検査を行い慢性腎不全のステージの確認と治療法を決める。
腎不全の症状は初めから重篤な様子を見せず、徐々に犬にダメージを与えながらやってきます。そんな腎不全の症状ですが、検査を行うことで大きく4つのステージに分けて、腎不全の状態を見分けていきます。
・ステージ1:残存腎臓機能 100~33%
尿検査 正常~低比重尿・タンパク尿(1.028~1.050)
血液検査 正常 Cre(クレアチニン) 1.4mg/dl
病状 なし
・ステージ2:残存腎臓機能 33~25%
尿検査 低比重尿・タンパク尿(1.017~1.032)
血液検査 正常~軽度上昇 Cre 1.4~2.0mg/dl
病状 軽度の高窒素血症、軽度の多飲多尿
・ステージ3:残存腎臓機能 25~10%
尿検査 低比重尿・タンパク尿(1.012~1.021)
血液検査 軽度~中等度上昇 Cre 2.1~5.0mg/dl
病状 中程度の高窒素血症、食欲不振、体重減少、嘔吐、脱水など
・ステージ4:残存腎臓機能 10%以下
尿検査 低比重尿・タンパク尿(1.010~1.018)
血液検査 重度上昇 Cre 5.0<mg/dl
病状 重度の高窒素血症、頻回の嘔吐、痙攣、尿毒症
治療方法
一度障害を受けて損傷してしまったネフロンは、元には戻りません。
そして傷ついてしまった部分が元々行っていた働きを、残された正常なネフロンが負担することになり、負担する量が増えてしまいます。
食事療法や輸液を行って、残された正常なネフロンを保存することにより、腎不全の進行を防ぎ、悪くなってしまった腎臓でも生活の質(QOL)を保つ為の治療をします。
病気が進んで尿毒症が出てしまった場合は、その症状を軽減することが治療の目的となります。
慢性腎不全の治療法は3種類
・服薬・点滴・食事療法があり、必要に応じて組み合わせて治療をしていきます。
服薬
尿たんぱくの抑制・降圧剤を投与
腎臓への負担を大きくする高血圧やタンパク尿を改善する薬を投与します。
(ACE阻害薬、降圧剤など)
腎不全の犬では高血圧症がよく認められ、腎臓の血圧が上がると、尿にたんぱく質が漏れ出てきてしまう「たんぱく尿」も増えてきます。
高血圧やたんぱく尿は腎不全に併発しやすい病態であるとともに、腎不全が悪化する要因です。
経口吸着剤の投与
腎臓はタンパク質からの老廃物を排泄する働きをしますが、腎機能が低下すると老廃物が身体に溜まり、尿毒症に進行してしまいます。
その対処には、尿毒物質を腸の中で吸着し、腸から吸収させないよう尿毒症物質吸着剤を飲ませます。
慢性腎不全から尿毒症を発症させないようにするためには効果的です。
リンの吸着剤の投与
リンの吸着剤を投与します。
通常リンは腎臓から体の外に排泄されますが、慢性腎不全の状態では腎臓機能の低下によって余分なリンが捨てられなくなり、過剰に体に溜まり、リンの濃度が増加します。
高リン血症が起こると、食欲不振や元気が無くなるだけでなく、ホルモンのバランスが崩れ骨折などのリスクが高くなってしまいます。
ホルモン剤の投与
腎臓における、生産量が低下し、貧血になった場合に注射でホルモン剤を使用します。
点滴(皮下補液)
腎臓病では尿の量が増えて体が脱水しやすいため、点滴(皮下補液)を行います。
皮下補液は、慢性腎不全に伴う脱水や電解質の補正のために即効性のある治療です。
特に犬では慢性腎不全に伴い高カリウム血症になりやすく、カリウムを下げるために点滴を行うことも多いです。
状態が悪い場合は静脈点滴を行う場合もあります。
食事療法
慢性腎不全で最も大切だと言われているのが、食事療法です。
腎不全の療法食は腎臓への負担を軽減し、慢性腎不全の進行を遅らせてくれますので?以下のような栄養管理をする事が大切です。
☆低タンパク、低リン、低ナトリウム
☆オメガ3脂肪酸の調整
☆サプリメントの活用
ここでは、お勧めしたいサプリメントを一つご紹介しますね。
東京大学医学部の研究室で細胞の活性化に役立つ素材の研究が行われています。
この素材は、体の細胞を元気にさせる(活性化する)ことが人の細胞で実証されています。
腎臓もたくさんの細胞の集合体です。
この素材を取り入れることで普段から元気に保つことが期待されます。
こちの動物病院でお取り扱いがあります。⇒ブルーミントン動物病院
食事管理のポイント
慢性腎不全との闘病生活は、時に長くなります。
食事療法によって、慢性腎不全の進行を抑え、尿毒症の症状を予防・軽減する事が可能です。
お家で気を付けるべきことを守ってあげることで、より良い状態を長く保つことができる可能性があります。
以下の点に気を付けてあげて下さいね。
飲用量を増やす
・常に新鮮な水を用意
・ウエットフードを与える
・ドライフードを水でふやかす
慢性腎不全によって尿の濃縮能が衰えると、水分を大量に尿として排出してしまいます。
脱水症状にならないように気をつけましょう。
リンの量を調整
腎臓病を悪化させる栄養素に「リン」というものがあります。リンはもともと骨や歯、細胞をつくるために必要で、体にとってとても大切な栄養素なのですが、腎臓病の犬は腎臓機能の低下によって余分なリンが捨てられなくなり、過剰に体にたまったリンが慢性腎不全を悪化させる大きな原因となることが知られています。
このため、リンを制限した療法食をあたえるよう、食事管理が必要です。
タンパク質の調整
腎臓病は、老廃物をおしっこの中に排泄する機能が弱るため、進行すると尿毒症などのリスクがあります。
タンパク質が分解されると老廃物が生じるため、進行した腎臓病の場合は、食事中のタンパク質の量を減らす必要があります。
しかし、タンパク質は体をつくる上で大切な栄養素であるため、初期の腎臓病で尿毒症の兆候がみられない場合にはタンパクの制限は必要ありません。
このため、「初期の腎臓病のための療法食」と「進行した腎臓病のための食事療法食」は分けて考える必要があります。
ナトリウムの量を調整
高血圧は腎不全の進行を進めてしまうため、ナトリウム(塩分)の過剰摂取を避ける必要があります。
しかし、極端に制限すると、脱水を引き起こし、腎臓の血流量も低下させてしまい、かえって腎不全を進めてしまうことにもなります。
「高ナトリウム食品」は控えるようにしましょう。
慢性腎不全の予防・対策
腎全は発症してしまうと治らない病気です。
ペットの異変に気付いた時にはすでに相当進行しています。そのようにならないために普段から以下の点に気を付けてあげてください。
対策1:日常の様子
チェックポイントは尿の量です。何かしら腎臓に不具合が起きれば生成される尿の量が変化するはずです。
尿石により尿路がつまっていたら尿量は減少し、腎単位(ネフロン)での水分の再吸収に支障があれば尿量は増えます。
対策2:定期健診
腎臓病は、早期発見、早期治療が重要です。
慢性腎臓病の検査には尿検査、血液検査、超音波検査などがあります。
特に7歳を過ぎたらこのような検査をできるだけこまめに(3ヶ月に1度を目安)受けることをおすすめします。
また、シニア犬の場合、元気がない、食欲がないのは老化のせいだろうと見逃しがちなので、定期的な血液検査もお勧めします。
対策3:食事
腎臓は常に老廃物を排泄するため働いており、若いころから食事で負担をかけないことは大切です。
腎臓の機能に問題ない犬が腎臓の療法食を食べるメリットはありませんが、腎臓に負担のかかる塩分の多いフードは良くはありません。
塩分含有量が多いと美味しく感じるため、食いつきを良くするために塩分(ナトリウム)濃度を高めてあるフードもあります。
特に安くておいしいフードには注意が必要でしょう。
フードのパッケージの裏にナトリウム濃度の記載がありますので、一度確認してみましょう。
成犬では、ナトリウム濃度が最低0.08%必要になりますが、それだけあれば十分だと考えられています。
ナトリウム濃度が0.5%以下のフードが理想であり、1%を超えるフードは腎臓への負担が大きいので注意してくださいね。
対策4:歯石予防
歯周病は慢性腎不全のリスクを増やす可能性があるため、歯周病を予防することは大切です。犬の歯周病の大部分は歯石に伴う歯周炎によって引き起こされるため、歯石予防の歯磨きが大切です。
歯磨きはある程度の年齢になってから急にやろうとしてもなかなかうまくいかないことが多いです。若いうちから歯磨きの癖をつけるようにしましょう。
まとめ
慢性腎不全は治らない病気です。
早期発見のためには少なくとも成犬で1年に1回、シニア犬では3ヶ月に1回は定期健診を動物病院で受診することをお勧めします。
程度の軽いステージ1から専用の食事に切り替えるほど経過は良好といえるため、日頃からワンちゃんをよく観察してなるべく早期に異変に気付くことが大切ですね。
そして、慢性腎不全のリスクは年齢とともに増加するため、腎臓病の疑いが見られなくても、7歳を過ぎたらリンの量を抑えた食事を与える事をおすすめします。
慢性腎不全になってしまったら、対処療法による治療をしながら生活の質を(QOL)下げないように上手に付き合っていく必要があります。
治療として、食事療法、薬物治療による貧血改善、脂質代謝管理、糖代謝管理などを総合的に行いますが、その中で、食事療法の果たす役割は極めて大きく重要です。
また、サプリメントも併用し腎臓の悪化を防いでいくこともおすすめです。
そこで最も重要なのは、仔犬のときからの予防ですね。
腎臓に負担のない食事に留意したり、ストレスをためないように環境面に配慮してあげることサプリメントなどで元気な体を維持していくことが、末永く愛犬と幸せに暮らす方法だといえます。
腎臓も細胞の集合体なので、腎不全の予防として、細胞を元気に保つことができることが実証されている、東京大学医学部で研究中の自然由来のサプリメントを活用するのもお勧めです。
※こちらは、POC療法として、動物病院で取り扱いをされています。
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