記事監修
獣医師 西村 美知子 ブルーミントン動物病院院長
日本獣医畜産大学(現 日本獣医生命科学大学)卒業後、東京都武蔵野市吉祥寺で開業、2009年に現在の 東京の西荻窪に移転。 自然療法中心の病院です。検査から治療まで、精神的にも身体的にもストレスをできるだけかけずに動物さん個々が本来持つ「治癒力」が動き出すよう、様々な 自然療法をご提供しています。
愛犬・愛猫が「癌」なってしまったら、どんな治療を考えますか?NO.5
癌とは悪性腫瘍のことです。
腫瘍は無秩序に増殖する細胞の集団で、悪いものでなければ良性腫瘍、悪いものであれば悪性腫瘍(癌)となります。
犬も猫も食べ物や環境などから長生きすることが多くなり、年をとるに従い癌の発生率も高くなっています。
アメリカの調査報告では、10歳以上の犬の癌の死亡率は全体の約50%を占めているという事です。
猫の癌の発症率は犬の半分以下とされていますが、それでも死因の多くを占めています。
癌はその種類によって予後も大きく変わってくること、ご存知でしたか?
ですから、かかりつけの獣医師とよく話し合い、愛犬や愛猫にとって最もよい治療法を選択することがとても重要になってきます。
病状にもよりますが、抗癌剤や強いお薬を使い副作用に悩んでいる飼い主さんも多いようです。
比較的人間とは違い、犬や猫や副作用が強く出ないと言われていますが、治療が長引いたりしてしまうと、生活の質(QOL)が落ちてしまいます。
食欲がなくなったり、遊ばなくなったり、元気がなくなってきている様子を見ている私たちも悲しくなってしまいますよね。
高齢化が進むにつれ、治療に耐えられるだけの体力も必要になります。
いかに、QOLを落とさず、治療を受けることができるようにしてあげるか。
また、老犬になるずっと前の時期から体力や免疫力の維持・向上を考えてあげたりするかが、飼い主の皆さんにとっても、すごく大事なことですね。
動物医療の世界でもQOLを考えた施術を一番に考え、西洋医学の治療だけでなく新しい考え方の療法も視野に入れて検討する獣医師先生が増えてきているといいます。
また、病気の予防を常日頃から考えたペットフードの選択やサプリメントの提案など予防医学の観点も取り入れられてきているようです。
そこで、今回は動物医療の最前線で取り組みが始まっている、相補(補完)・代替療法という西洋医学と代替療法を組み合わせた治療法にスポットをあてて、愛犬や愛猫に寄り添う医療についてみていきたいと思います。
代替療法については【代替療法とは?犬や猫の癌を救う効果はあるの?】の記事をご覧ください。
この記事では相補(補完)・代替療法がどういう療法なのか解説していきたいと思います。
相補(補完)・代替療法とは
・相補(補完)医療
西洋医学を否定するものではなく、あくまで『補完する医療』です。
・代替医療
西洋医療を中止し、三大医療にとって代わる医療といった意味合いもあります。
代表的な補完・代替療法として4つあげてみました。
①免疫療法:体の免疫システムを強化することで、癌細胞の増殖を抑える治療
②高濃度ビタミンC点滴療法:癌細胞にまで届くレベルの高濃度のビタミンCを投与することで、癌の治療に応用するもの
③食事療法
④サプリメント療法
免疫療法
癌という病気は、体の免疫システムから逃れ、身勝手に細胞分裂を繰り返し増大していく病気です。
体の免疫システムが異常を起こした結果、癌細胞の増大を許してしまうのです。
そこで体の免疫システムを強化することで、癌細胞の増大を抑える治療をするのが免疫療法です。
免疫療法にも色々な種類があり、『活性化リンパ球療法』、『インターフェロン療法』が多く実施されています。
活性化リンパ球療法
自分の血液から白血球の成分であるリンパ球を取り出し、増殖、活性化して体に戻し、免疫力を高める治療方法です。
いわゆる再生医療の技術を使った治療方法で、癌の増殖を抑えたり、抗癌剤治療の副作用を抑える効果が期待されています。
しかし、まだ治療効果、安全性については不明な点も多く、実施できる施設も限られています。
インターフェロン療法
人の医療では様々な種類のインターフェロンを用いて治療を行っていますが、犬では主にアトピーや感染症の治療薬として使われているインターフェロン製剤を癌治療に利用しています。
インターフェロンも、やはり免疫力を高めることで癌細胞の増殖を抑えたり、抗癌剤の副作用を抑える効果が期待されます。
インターフェロン療法も、まだまだ実績が少ないため、治療効果については十分な実績はありません。
しかし、インターフェロン製剤自体は犬用に市販されているものなので、活性化リンパ球療法よりは安全に実施することができると考えられています。
高濃度ビタミンC点滴療法
ビタミンCは癌細胞に取り込まれると、その代謝によって癌細胞を破壊することができるとされています。
しかし通常量では癌細胞まで届かないため、普通にビタミンCを摂取しても、癌にはなんら効果はありません。
そこで高濃度ビタミンC療法では、癌細胞にまで届くレベルの高濃度のビタミンCを投与することで、癌の治療に応用しようというものです。
食事療法
食事療法にはさまざまな考え方があり、どれも一概に良し悪しを判断することができません。
以前は獣医療でも、糖質制限を行うことで、癌細胞の増殖を抑えようとする食事療法がありましたが、今ではそれだけでは改善できないことがわかっています。
一般的に、癌の予防においては、食事がとても重要ですが、治療についてはまだまだわかってないことも沢山あります。
もちろん、胃や腸の癌やもともと食物不耐性や消化器アレルギーなどの持病をもっている場合は、それらの治療として食事療法は重要になります。
また、サプリメントの成分のように、癌のケアに役立つ成分を配合したペットフードもありますが、ペットフードに配合されたものは、その品質が不明なものも多いため、ペットフードではなく、サプリメントで摂取することをお勧めしています。
サプリメント療法
サプリメントは、手軽に取り入れることができるため、実際に癌のケアで使用している方もたくさんいます。
しかし、ペットの癌のケアに役立つサプリメントは沢山の種類が存在します。
中には残念ながら粗悪な品質のサプリメントも存在しますし、上手なキャッチコピーや共感できる体験談で、いかにも優れたサプリメントであることを強調したものもあります。
またサプリメントはお薬と違って、十分な効果や安全性を検証していなくても販売することができます。
ですからサプリメントを選ぶときには、キャッチコピーなどで惑わされないようにすることが大事です。
サプリメントを選ぶ時に大切にしたいこと
・しっかりとした学術情報があるか、学術活動しているか
・余計な添加物は入っていないか
・原材料の品質は確かであるか
・安全性を重視(作っている場所、工場など)
POC療法
以下のサプリメントはこのような基準をクリアしており、東京大学医学部で癌細胞に対する抗癌効果が証明され効果に関する論文が欧米の医療ジャーナルに掲載されました。
現在、「なぜ癌に効くのか」のメカニズムの解明が研究され、注目されている物質です。
また、免疫疫調整作用に効果があるといわれており、自身の自然治癒力も高める効果が期待出来ます。
論文掲載の欧米医療ジャーナル
欧米の医療ジャーナルに発表された論文の日本語翻訳版(PDF)
この有機物の性状を持った極小粒径の炭素(以下「炭素」という)を用いた「POC療法」と呼ばれる治療法がこちらの動物病院で実施されています。
POC療法で用いられる特別な炭素は、植物由来で化学物質とは無縁のいわゆるケミカルフリーといわれるもので、1粒の大きさはインフルエンザウィルスなど一般的なウィルスの10分の1程度の極小なサイズです。
この極小のサイズを活かし、水に溶かして飲ませることで血流を通じて身体中の細胞に行き渡らせることができます。
抗癌剤は化学物質で副作用の懸念がありますが、この物質は自然由来のものなので、その心配も少ないとみられています。
まとめ
悪性の腫瘍である癌は、基本的には完治が難しく、治療も副作用などペットに大きな負担がかかりやすい恐ろしい病気です。
癌の治療をするうえで、治療が長引いてしまうと生活の質(QOL)が落ちてしまうため、なるべく愛犬や愛猫の生活の質を尊重してあげたいですね。
その治療法の一つとして、補完・代替療法についてクローズアップしてきましたが、よい話やイメージばかりが先行しがちな面もあることを指摘しておきたいと思います。
例えば、三大療法と呼ばれる「手術による切除や化学療法、放射線治療を用いた療法」よりも副作用が少ない。
しかも、治療効果も三大療法と同じ程度かそれ以上というような情報です。
そして、補完・代替療法には様々なノウハウがあるものが多く、中には治療効果、安全性については不明な点も多く治療効果があやしいものもたくさん含まれているという事実です。
これからますます、犬や猫の平均寿命も人間と同じ様に伸びていくなかで、補完・代替療法も学術情報が無いものが沢山出てくると思います。
その中の一つとして、上述でもあるように、「サプリメントを選ぶ時に大切にしたいこと」の中身を確認し、きちんと判断していくことが重要になってきます。
飼い主さんが、それを見極めて、治療のサポートとして上手に使ってあげると愛犬や愛猫は生活の質を落とさず、辛い思いをせず安心して過ごせるのではないでしょうか。
QOLを考えた施術を一番に考え、西洋医学の治療だけでなく、新しい考え方の療法も視野に入れて、動物たちに寄り添ってくれる獣医師さんを見つけて欲しいと思います。
※効果のない治療法や間違った治療を行わないためにも、補完・代替療法の導入にあたっては、その医療品質、メリット、デメリットなどを確認し、さらには信頼できる獣医師と相談しながら進めるようにしていくことがとても重要ですね。
はじめまして。
オス猫が乳癌になりまして、13歳なので緩和治療を希望しています。
色々調べて、こちらにまいりました。
POC療法は粉末を水にとかして飲ませることが出来るとありました。
私はカナダ在住で、受診することは叶いませんが、購入することはできませんか?
うちの猫を何とかしてあげたくメッセージ送らせて頂きました。
お問い合わせありがとうございます。
こちらでご購入は可能です。
猫ちゃん心配ですね。
以前にPOC水を緩和ケアで飲用されていた
猫ちゃんは一時とても食欲が出て元気に
過ごされていました。
体重によって飲ませる量などが変わるのですが
今猫ちゃんはどれくらいの体重がありますか?
また女の子でしょうか?
男の子でしょうか?
差し支えなければ、今現在の病状も
お聞かせ頂ければと思います。
商品については、POCの高濃度溶液で
お届け致しますが、どのくらいの量必要でしょうか?
基本は1ヶ月分単位くらいでのお届けになりますが。。。
どうぞよろしくお願い致します。
何とか元気になれるサポートが出来ればと思います。